住職ご挨拶

弥勒院が存在する弥勒寺は東国三弥勒と称されております。

東国三弥勒とは北上川の西に存在する宮城県登米市の弥勒寺、同じく相模川の西に存在する神奈川県藤沢市の弥勒寺、そして当弥勒寺は最上川の西に存在しております。いずれもきたかみ、がみ、がみの川名のかみとその川の西側に位置することが共通しております。近くに古刹慈恩寺があり、慈恩寺本尊は弥勒菩薩でありますが、弥勒寺という地名が慈恩寺地区になく当地に残るのはなぜなのか。歴史的ロマンを秘める当院でもあります。

 

弥勒信仰は古く、当弥勒院弥勒堂は700年代初期(養老年間)に婆羅門僧正によって開山(現在のお堂は江戸時代再建)されたと伝えられており、その近くには源義経の忠臣忠信、継信等の供養塔があります。 弥勒は梵語のマイトレヤーを漢字にした音写語でありますが、お釈迦様の後を継がれるいわゆる皇太子的お立場で釈迦の救いに洩れた衆生に説法するという未来仏、慈氏と称される菩薩です。先の見えない不透明なる昨今の社会 将来、下生(げしょう)して衆生を救わんと現在、兜卒天(とそつてん)で瞑想されておられる弥勒菩薩に手を合わせ社会安寧を祈りたいものです。

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